北海道同友会とかち支部の魅力を語る座談会

座談会

 

石原 潤
石原 潤(有)長屋機工
取締役
鉄工業、農機具修理、金物
中野 大樹
中野 大樹(株)中野牧場
社長
酪農業
山崎 美華
山崎 美華(株)内山企画会社
副社長
広告媒体の企画制作と出版
上野山 彰
上野山 彰(株)エフエムおびひろ
常務
コミュニティ放送事業
鎌田 祐佳
鎌田 祐佳ケリーケー珈琲(かふぇ坩堝)
代表
自家焙煎コーヒー製造販売、カフェ経営
野村 幸司
進行 野村 幸司(株)エントライズ・マネジメント
社長
経営コンサルタント業
辻田 茂生
進行 辻田 茂生(有)ワン・エックス
社長
システム開発、ネットワーク構築

 

座談会

商品を広く販売したいと思っていましたが方法が分からず悩んでいました。

同友会の魅力を語る座談会を開催します。とかち支部では支部例会、部会、地区会、求人・社員教育と多くの会合を開催しています。同友会内外の方に魅力を伝えきれていないので現状です。今回は広報委員会、会員の方に登場していただき一部ではありますが、同友会の活用なども含めてご紹介します。最後までお聞きください。

本日は5名の皆様にお集まりいただきました。同友会の入会のきっかけ、活動の魅力、仲間づくりなどについてじっくりお話を聞いていきます。まず、山崎さんから同友会活動に参加したきっかけをお聞きします。

父が社長で2009年から入会して会合に参加していました。社長が「人生大学」に行っていたこともあり、私も参加しましたが十勝の経営者の大御所が集まっていて(笑)、なかなかなじめずに1回行って終わりとなりました。金融機関の勉強会で学んでいた友達が「あすなる会」(明日社長になる会)に所属していて「後継者がお互いに勉強する部会があるからお父さんが社長だったら来てみたら?」と言われて入りました。
※人生大学⇒毎月若干のアルコールを入れて会社経営のだいご味を報告しています

きっかけはお父さんから勧められたからですか?

同友会は勉強になるから一回参加してみたらと勧められました。

私は2017年に同友会に入会するまで、6~7年ずっと現在のお店一店舗だけでやっていました。当店オリジナルの「黒豆コーヒー」という商品をお店以外で広く販売したいと思っていましたが方法が分からず悩んでいました。その時に十勝スロウフードの藤田専務と知り合って「そういう想いがあるのだったら同友会がぴったりよ」とお誘いいただきました。
最初は人生大学の参加からスタートしました。拓の会のマーケティングを学ぶグループにも入り、毎回本を読む宿題があり、その内容について論議する中でマーケティングを学びました。結構大変でしたが今後のお店での販売に役立てることを目標に頑張りました。
※拓の会 少人数のグループに分かれて1年間お互いの報告などを通じて学ぶ

創業して6~7年の間に同友会の活動については聞いたことがありましたか?

はい。以前働いていた会社の経営者が参加していたので存在は知っていました。私のような個人事業主が入るような組織ではないと思っていましたので、お誘いがあるまで考えていませんでした。

誘われたときに、胡散臭いとは思いませんでしたか?(笑)

それは無かったです。敷居が高いと感じていましたが、「全然そんなことないよ。いろんな人がいて面白いよ、おいでおいで」と言われてほっとしました。

中野さん入会のきっかけを教えてください。

私は2018年3月に入会しましたが、そのとき父親から経営移譲をしてもらうタイミングでした。後継者時代は現場作業が多く、自分は仕事ができるという勝手な思い込みをしていました。いざ自分が経営者となったときに、社員は本当についてきてくれるのかと不安になりました。経営者としての企業運営に「ヤバいな」と思っていたところにfacebookで経営指針研究会の総括報告会を知り、自分が足りない物はこれだなと思い、同友会メンバーの知り合いに「参加したいんですけど」と頼んだらすぐ事務局からokの返事をもらいました。総括報告会発表会に行ってみると、十勝スロウフードの藤田社長などの報告を聞いて、すごく感動して入会もしていないのに打ち上げまで参加しました。4月からの経営指針研究会に入れてもらい、「何のために経営をしているのか」「わが社の固有の役割は」「大切にしている価値観人生観」「社員に対する基本姿勢」などあまり考えてもいなかったことを文書で提出させられてかなり厳しく指導?を受けました(笑)。農業経営部会にも誘われたので入りました。

経営を受け継ぐ前に同友会は知っていましたか?

尾藤農産の尾藤社長や十勝しんむら牧場の新村社長などからは話は聞いていましたが、まだ経営者でなかったのであまり興味はありませんでしたが、いざ経営者になって焦りましたね。

 

座談会

経営理念の持ち方や社員教育などすごく刺激を受けました。

上野山さんは入会のきっかけは?

私は上司が異動して会員になった経過がありますので同友会にも「代わりに行ってね」という感じで引き継ぎました。私はその頃は番組の制作しかやっていなかったので、引継ぎで総務などの仕事をする必要が出てきて途方に暮れていました。経営のケの字も知らなくて同友会で勉強すれば何とかなるかなとそのぐらいの気持ちで参加したのが最初です。「拓の会」に参加していましたが具体的な経営手法というよりは異業種の経営者の経営に対する思いや悩み、意気込みなどが伝わってきて面白かったですね。
「拓の会」を2年ほど参加していてそのあとはしばらく休んでいたのですが、そろそろ人との繋がり恋しくなり広報委員や支部幹事を引き受けています。「あまりこれだ!」と思って活動しているわけではありません。どちらかというとやむを得ず(笑)

それまで上司の人が同友会に行っていることは知っていましたか?

制作現場での仕事が忙しくて名前ぐらいしか知りませんでした。「どうゆうかい」て名前もちょっと胡散臭くてどんな会なのかよくわからなかったです。(笑)

当社は鉄工所と金物屋をやっていて、私は金物屋の責任者をしています。入会のきっかけは当社の社長に曽根代表理事(㈱ネクサス 会長)から飛び込み営業で誘いがあって、後日また来られた時に断りづらくなったのでしょうね。私に「同友会という組織に入ってくれんか」と頼まれました。会社では役員で経営陣の一員ではありますが、企業経営の勉強ということだけで活動内容もあまりわからずに飛び込んだというのが正直なところです。(笑)

熱心な勧誘の末の入会だったのですね。そのあと同友会に入ってどうでしたか?

2019年7月の入会ですの活動歴は短いですが、人生大学はマメに参加しています。私はコストを掛けたら絶対に元を取りたいタイプです。前職は英会話の仕事で、畑違いでしたが、10数年前に転職して現在の金物屋に勤務しました。金物屋を一月ほどで引継いだ時は、右も左もわからない状態でした。私は何事にも飛び込むのに抵抗が無い性格でお客さんの建築関係の会もがんがん行っていました。与えられた環境を活用しようと同友会も行き始めました。人生大学で先輩経営者の話を聞いていると当社はこのことが必要だ、自分にはこれが足りないなどの発見が多くありました。何事にも飛び込まないと学べないものです。

新会員の勉強の場の「いろはの会」は卒業しましたか?

現在はイロハの会の対象ではありませんが、運営する側のスタートアップ委員会に誘われて委員になっているので今も行っています。現在はほかに人生大学、IT総研に所属しています。

山崎さんは「あすなる会」に所属していますがあすなる会の良さはどのようなところですか?

あすなる会は同じ後継者として学べる仲間を作るところだと思っています。それが一番続いている理由ですね。財務やマーケティングなどの経営手法の勉強も大切だと思いますが、うれしいこと、悩みなど相談できる友達を作ることが一番だと思います。
同友会が主催する全国の青年経営者の勉強会(青年経営者全国交流会)に昨年9月に参加したのですがすごくよかったです。9月のコロナ禍でしたが、1000名を超える全国の青年経営者の方とオンラインで意思疎通できるのがすごいなと思いました。
また12の分科会分の報告者の中でyoutubeで自分の経営計画を発表してた方がいて、私はその分科会でお話を聞きましたが経営理念の持ち方や社員教育などすごく刺激を受けました。

 

座談会

見本となる人との繋がりが自分にとっての学びです。

中野さん経営指針研究会で学べたことは?

多くの経営者との繋がりですね。私は自分の世界に閉じこもっていましたが、様々な業種の先輩経営者の話を聞いていると価値観が変わりました。今までは作業員というか社員的感覚だったのが、経営者となると、それだけじゃだめだというのが先輩経営者の体験談からひしひしと伝わってきます。いろんな人と話すほど自分は狭い世界でしか生きていなかったということが実感できて見本となる人との繋がりが自分にとっての学びです。

中野さんの経営指針は素晴らしいですよ。私は経営指針研究会で財務を担当していますが、中野さんは去年対比10%アップなどの計画を実現しています。

ありがとうございます。今までは目の前の仕事をこなして、売り上げが上がっている実感はありました。経営計画の実行も大切ですが、一番大きいのは「何のために経営しているのか」を絶えず自分に問えることです。先輩経営者のお話を聞いているうちに経営者の仕事は「経営とは何か」の答えを探し続けることだと考えるようになりました。

中野さんはなんのために経営をしてるのですか?

「酪農のすばらしさを共に働く仲間と地域に浸透させていく」ことだと考えています。自分だけが良いという考えでは無くて、例えば雇用している社員が結婚すれば、町の人口が増えて、貢献になります。

最初は「拓の会」のマーケティングに販売の基本を学びたいと思って参加しました。そこに2年いて勉強して自分の意見を言ったり意見をもらったりである程度の知識を得ることはできたと思います。実際にその知識は商売には活かしきれて無い部分もあると思います。同友会で学べる魅力的は、経営者の方から「悩みやぶつかった壁があり、反省点もあるからこそ今の自分や会社がある」ということをその体験談から学べることです。
私は中野さんの話を聞いて「そこまで深く考えているんだ、私はまだまだだな」と思ってしまいました。地域貢献や帯広十勝の発展のためになるぐらいのスケールで学びたいです。

 

座談会

同じ勉強をしている仲間を紹介してもらえるのはネットワークがある同友会のおかげ

魅力はいろんな会員がいて、いろんな会社があって、その経営者の考え方や会社の内容が分かることかな。自分の会社は地域貢献をする会社だと思っているので、同友会で学ぶことで、僕らの会社が何をしていったらいいのかということが見えてきます。

仲間づくりで意識していることはありますか?

金物屋をやっているとお客さんは建築関係の人ばかりです。例えば異業種の方を知っていないとHPを作りたいと考えてもどこの会社に依頼してよいのかわからず困ったと思います。同じ勉強をしている仲間を紹介してもらえるのはネットワークがある同友会のおかげだと思います。

経営指針研究会、農業経営部会の皆さんなど同友会メンバーは前向きな考え方を持っている方が多いですね。同友会は自分の意思で学ぼうという人が多く、経営不振を景気や外部要因のせいにする人はあまりいないので波長が合うという感じです。

一人でお店の業務をこなしていると交友関係は広がっていかないですね。お客さんは来ますが、どこでどういうことをしている人かはわかりません。困ったときは「事務局に行って」というのが自分の中での合言葉で、こんなこと考えているのですがどうすればよいですか?と丸投げ状態で言うと本当に答えを導き出してくれます。人と人とを繋げてくれて、何人かの生産者と繋がることもできました。様々な勉強会に参加することもできて、すごくプラスになっています。

参加している方の役職はあまり気にしないでお付き合いをしています。顔を出していたら自然に仲間になってくるという感じです。今でもそうですが最初は知らない人ばかりだし、なじめないし、話せないですね。会合に回数を出ているとそれなりに仲間になります。参加回数に比例するのかなと思いますね。

私は社長じゃないですし、会社には後継者もいますので、参加に少し遠慮がありましたが、参加すると同じ目線で接していただけます。それで親しみやすいというか馴染めたのですね。「同友会に入らないか?」と誘われた人がこの座談会のHPを見た時に、私のような立場の人間でも学べる機会が与えられるということを知ってほしいと思います。

同友会に来ている社長さんたちは会社の大小や男女など関係なく平等に接することがマナーとして定着していると思います。私などの発言も大切に扱ってもらっている気がします。

経営者に限らず後継者や幹部社員も人間関係や仕事とか悩みはあると思います。悩みを抱えているなら同友会には必ずそこに当てはまる部会や委員があってそこではフラットに話ができると思います。

個人事業主、店主という立場ですが、今は業種の違いはあっても皆さんコロナ禍で経営どうしようと考えていると思います。異業種で経営者の人とお話しすることで必ずヒントがあると思います。規模に関わらず自分の商売を良くしていこう、自分の会社で何ができるかを思い悩むことがあれば、積極的に同友会に参加してほしいと思います。

具体的な商売での成果はありましたか?

新商品の黒豆コーヒーの具体的な商取引は進んでいません。しかし大きなイベントへの参加も応募方法もわからない状態でしたが、同友会のメンバーからの情報で帯広市のモノづくり補助金に参加させてもらって横浜の展示会に出展できました。商品の情報発信につながっています。

同友会に参加して取引先の社長に偶然会ったりしますと「えー山崎さんがんばってるね」と言われて嬉しかったです。会話も生まれるし仕事に結びついたこともあります。

私は金融機関を退職してコンサルタントとして独立しました。銀行の支店長から聞いて同友会に行っていて存在は知っていました。取引先から「金融機関を辞めたのなら入れば?」と言われて、同友会の他に一通りの会に入りました。残ったのは同友会でした。農商工連携部会に誘われて入ったり、経営指針研究会で講師をさせてもらったり。そこからの繋がりですね。
独立するときは、「銀行辞めたらこの会社は顧客になる、ここも有力と…」と計画を描いていました。退職して営業を始めると、売り上げは厳しかったです。銀行の看板はデカいと思い知りました。同友会の繋がりでいろんな方を紹介をいただいて、経営者の先輩の話くことができ、ビジネスにも繋がりました。今生きているのも同友会のおかげと言って過言でないかもしれません。(笑)

長時間にわたってお話を聞かせていただきましてありがとうございました。同友会活動の魅力が伝わってきました。ホームページに掲載しますので多くの方に見ていただけることを願っています。

 

座談会

 

会員が感じてる中小企業家同友会とかち支部について、本音の座談会