ケーススタディ

会員の声

同友会は和太鼓と見つけたり
十勝三菱自動車販売株式会社
社長 鈴木 享
質の高い求人情報が同友会参加のメリット
有限会社ワン・エックス
代表取締役 辻田 茂生
同友会の豊富な研修、勉強会、研究会を活用
株式会社クナウパブリッシング
代表取締役 高原 淳
共育活動の成果
オムニス林産協同組合
代表理事 瀨上 晃彦
中小企業だからこその労務対策
株式会社ミドリ機材
代表取締役 小野寺 慎吾
地域を守ろう
株式会社佐藤工務店
代表取締役 佐藤 聡
経営指針が私にもたらしたもの
株式会社関木材工業
代表取締役社長 山内 ゆかり

同友会 ケーススタディ
同友会は和太鼓と見つけたり

当社は1977年、三菱自動車の新しい乗用車販売網展開に応じて創業しました。
そして、何ということか「お前がやれ」と言われ、全くのゼロからのスタート、怒涛の様な日々が始まりました。
時に35歳、躊躇する暇さえありませんでした。
財務や乗用車販売の基本的手法をまずは自分が学ぶこと、高校新卒者がほとんどの社員指導、販売活動計画、展示会の準備など、無我夢中で突っ走る日々でした。
初期の大赤字が重荷とはなっていたものの、やっとわずかな手応えを感じたのは4,5年後の頃です。その頃に感じたことは、私の周りに「壁」があるということです。
見えずとも感じる壁、それは遠くに蜃気楼のように浮いて私を取り囲んでいるようで、自分は小さな枠の中で七転八倒している、簡単に言えば「井の中の蛙」のイメージです。
大きな不安と焦りを覚えたものです。
そんな時に知ったのが中小企業家同友会帯広支部(当時)で、
そこは同じ業種が集まる団体や協会ではなく、業種、事業の規模など一切の条件なしに誰もが参加できるという新しく、刺激的な場所でした。
入会後、時間の許す限りあらゆる場に参加しました。
感じたことは、どの場もそれぞれの目的はあるものの、自分の事業・企業をよくしたいという思いの磁力から生まれる情報や事例、意見や考えの交換が溢れており、いつも話し合う・知り合う場であるということです。
日を置かずして、私を取り巻いていた「見えざる壁」が消えていました。世界と発想が広がり、「何を、どうすべきか」が見えてきたのでしょう。同友会は自分から参加し、求め、発見し、自分を刺激し、自分自身を広げる場なのです。勝海舟が西郷隆盛の印象をこう語ったそうです。
『西郷は太鼓のような男だ。強く打てば強く響き、小さく打てば小さく響く』同友会は正にこれと同じです。同友会は和太鼓なのです。それも超特大の和太鼓です。さあ、桴(ばち)をしっかりと握り、大きく振りかぶって下さい。

十勝三菱自動車販売株式会社
社長 鈴木 享

 

 

求人 ケーススタディ
質の高い求人情報が同友会参加のメリット

同友会を通じた求人活動の利点は質の高い情報が得られることです。
私は株式会社ヒットというデザイン会社と有限会社ワン・エックスというソフトウェア開発の会社の代表を務めています。いずれも社員数名の規模ですが、同友会とかち支部内に事務局のある帯広地域雇用創出促進協議会を通じて両方の会社に一名ずつの採用に至っています。
昨今の人材難の中、中小企業にとって新入社員の採用はたいへん難しい問題です。中小というよりは零細に近い私どもではなおさらのことです。給与面はもとより社員教育・福利厚生についても自慢できるような待遇を用意できるわけでもなく、逆に教育期間や教育コストをかけられないために新卒よりも即戦力となる中途採用を選ばざるを得ません。
そんな状況下で雇用契約の締結まで至るには、いかにして早くて質の高い求職者情報を手に入れるかが非常に重要です。当然、ハローワークにも求人を出しているのですが、ハローワークからの情報は斡旋・取次の域を越えず、結果的に空振りに終わることも少なくありません。
ところが帯広地域雇用創出促進協議会のウェブサイトにはハローワークからは得られないような細かいキャリアシートが掲載され、担当者からも適切なアドバイスが得られるので面接と採用検討の時にたいへん助けられました。
日頃から同友会に出入りすることで協議会の担当者が私の人となりを知ってくれていることも大きな理由かもしれませんが、採用にいたった二名ともスムースに雇用契約まで進み、5年ほどたった今では欠かせない人材として活躍してくれています。
採用が成功したのは、求職者は単に条件だけで会社を選んでいるわけでないということもあると思います。求職者目線で考えれば、給与は多い方がいいわけですし、会社規模も大きければ大きいほど経営の安定が期待できます。そこだけとれば私どもが選ばれる会社になれなかったでしょう。しかし、求職者は経営に対するビジョンや仕事のやりがい・人間関係・労働環境などを総合的に判断して就職を決める傾向にあるようです。そういった動向も同友会に所属することで先輩経営者から教わっておりましたし、他社の採用基準や他業種の給与水準などを知ることのできる同友会活動なくして弊社の求人活動はありえません。
今後は新卒採用なども視野に入れて、合同企業説明会への参加など積極的に同友会に所属するメリットを有効に活用していこうと考えています。

有限会社ワン・エックス
代表取締役 辻田 茂生

 

 

教育(共育) ケーススタディ
同友会の豊富な研修、勉強会、研究会を活用

中小企業家同友会に入会するメリットは何なのか? 答は幾通りもありますが、当社の場合は「共育」にあるのではないかと考えています。「共に育つ」の共育。会員同士、対等な立場で学びあることのできる点に、同友会の最大のよさがあるのです。
当社は古くからの会員でした。私が同友会に通うようになったのは社長に就任したばかりの2001年か2002年のこと。支部例会に参加したのが、同友会との最初の関わりだったと記憶しています。実体験に基づく講演や事例発表を、自社と照らし合わせながら聴いていました。
ディスカッションを通じて深く学んだのは、「拓の会」という少人数での勉強会でした。立場の近い人、同じ問題意識を持っている人と濃い話をすることができる。本音のディスカッションを通じて得た仕事観や経営観は、私にとって大変貴重なものとなりました。
その後は、中堅、若手社員を「中堅幹部学校」に派遣することにしました。社内で行う教育・研修も重要ではありますが、異業種の人たちと一緒に学ぶことで広い視野を持ってほしいと考えたのです。中堅幹部学校はハードなカリキュラム。業務に支障を来さず、ちゃんとやり遂げることができるのか、不安な面もありました。しかし、参加した当社の中堅、若手社員は、程度の差はあれ着実に成長したという実感があります。異業種からもたらされる新鮮な情報や異なる考え方が大きな刺激になったのでしょう。
中堅幹部学校をはじめ、同友会には新入社員向けから経営者向けまで、実に豊富な研修(または各種勉強会、研究会)が揃っています。こうした研修を札幌や東京ではなく、地元で受けることができる……。ここにも同友会入会の大きなメリットと言ってよいでしょう。
企業価値の差は「人材力」の差でもあります。どの業種であっても人材育成に力を入れていかねばなりません。企業内教育には自ずと限界があります。テクニカルスキル(業務遂行能力)はある程度教えられても、ヒューマンスキル(対人関係能力)やコンセプチュアルスキル(概念化能力)までは、社内では教えにくいものです。
同友会の研修、拓の会、研究会などを上手に活用し、「社長も社員も学び続けている」という組織づくりを行うことが大事だと思います。月1回の例会に社員とともに参加し、お互いに感想を述べ合うだけでも、大きな共育効果が得られるはず。
当社もまだまだ同友会を有効に活用しているとは言えません。中堅、若手を中心に同友会への関わりを深め、経営マインドを持った人材(=人財)を増やしていきたいと考えています。

株式会社クナウパブリッシング
代表取締役 高原 淳

 

 

教育(共育) ケーススタディ
共育活動の成果

私どもの組合は、からまつ製材工場で毎年高卒の生徒が数名入社してくれています。現在職員数35名、平均年齢36歳で比較的若い人が多い工場です。
私は同友会活動に参加をさせて頂いてかれこれ20年以上になります。その中で、「経営計画書」作りに出会ったときに、まさしく自分がこれからやらなければならないものはこれだと気づかされました。それまでは、経営理念も経営方針もない会社で、職員達はどんな希望や夢を持って毎日働いてくれているのだろう?と考えたときに、とにかく計画書を作ろうと考えました。最初の計画書は、今考えれば社内での約束事をA4の用紙4~5枚にまとめたものでした。それを職員全員で確認するための計画発表会も同時に始めたのが今から15年前です。しかしながら、計画書自体も当時はまだ稚拙なこともあり、聞いている職員たちは睡魔との闘いの状態でした。そのような中で、私は職員達も私と同じように同友会で学んでもらおうと考え、共育委員会の講座の中で、まだ入社歴の浅い社員さん向けの「ステップアップセミナー」や将来の幹部候補向け「中堅幹部学校」などを受講してもらいました。何人も受講者を送りだしていくうちに、社内の雰囲気が変わってきました。
何がどう変わったか?
*自分の仕事に責任感が生まれた 
*商品・担当機械のしくみや電気知識に関する関心が生まれた 
*効率的な生産をするための提案が出てくるようになった 
*コスト意識が生まれた
など、色々な変化が見られました。その後の「経営計画発表会」に於いては、私の話は年々短くなり、社員からの反省や今後の目標発表などの時間のウエイトがどんどん多くなっています。発表会の主役は経営者ではなくあくまでも職員です。
今では新入職員は、合同入社式に始まり新入社員研修を受け、入社1年以内の社員を対象としたフォローアップセミナーの受講で離職率の高いタイミングでのまさしくフォローをしてもらっています。また、マナー研修を受けられなかった、もしくはもう一度ビジネスマナーを学びたい社員さん向け研修も同友会社員研修メニューとしてあります。この研修も結構人気のある講座です。
このように、職員も経営者と共に学ぶことでお互いの意思疎通をしっかりと取ることができるようになり、その結果社業発展に繋がり、職員一人一人の人生も充実した豊かなものになると思っています。まさしく経営者と職員が共に学び成長していくことから、同友会では「教育」ではなく「共育」と書いています。
是非同友会の社員共育講座を利用してみることをお勧めいたします。

オムニス林産協同組合
代表理事 瀨上 晃彦

 

 

労務 ケーススタディ
中小企業だからこその労務対策

私は35歳の時に創業者である父から会社を引き継いだ二代目の経営者です。
父は一人で会社を立ち上げ、まもなく一人の社員を雇用し長年二人で営業をしておりました。
その後私が入社し、徐々に社員も増えていきました。しかし長年二人で仕事をしていた父は労務に関する事にはあまり関心がなく、私が引き継いだ時には就業規則もなく、社員に対する配慮はなされていない状況でした。
10人未満の会社ですので届け出の義務はありませんでしたが、この時すでに同友会に入会していた私は就業規則の必要性を感じておりました。
私が代表に交代したとたんに社員からの不満が爆発しました。この時に就業規則を作る決心をし、同じ同友会の会員の社会保険労務士の先生の力を借りて就業規則を作成しました。
就業規則はただ作成し、届け出をする為の物ではなく、自社を守る為の物だという事を同友会で学んでおりました。
もし同友会に入会していなかったら、このような考え方はしていなかったかもしれませんし、誰に相談すれば良いのかすら解らなかったかもしれません。
一人でも社員を雇用していれば労務問題が発生する可能性は充分にあります。賃金・時間外労働・休暇・福利厚生・メンタルヘルス等問題は山ほどあります。
問題が発生する前にリスクを回避し、問題が発生してしまった時には被害をいかに最小限に抑えるかが重要になってきます。
少人数の会社こそ一人一人の役割が大きく、一人でも欠けると会社に大きな損害を与えます。
同友会には同業・異業種、年齢も様々な会員がおりますが、同じ悩みを持つ経営者同士が語り合い、そして会員の士業の方達からアドバイスをいただく事ができます。
労使共に成長し合える環境作りを同友会を通して実現が可能になると思っております。

株式会社ミドリ機材
代表取締役 小野寺 慎吾

 

 

政策 ケーススタディ
地域を守ろう

人口減少に伴う大型化や合理化が進み、地域の基幹産業である一次産業を取り巻く環境が大きな変化をしようとしています。その中にあって、旧来の同友会理念の他に「地域全体を見据えた共通ビジョンの構築」が必要ではないでしょうか。また、地域における共通のビジョンを確立していくためには、各自治体が中小企業振興基本条例が一つの手段だと確信します。
地方都市における労働者不足の観点から①人口減少に歯止めをかける方策として子供たちに地元の魅力や地元で働くことの意義を教示していくこと、②国策とリンクし地域の観光資源と連携することで移動人口を増加させ稼げる地域にすることが重要となってくるでしょう。喫緊の課題として、行政・業界の枠を乗り越え地域内の情報を集約するプラットホーム的な機構を整備しなければなりません。
上記の動きを加速させ実行するにあたり、会員構成が十勝全域を網羅する同友会こそがその役割を果たすのに何ら異論はないでしょう。民間が主体的に取り組んでいかなければ活路は見いだせません。十勝という地域が子や孫の時代まで希望にあふれた魅力のある場所にならなければ十勝経済は疲弊してしまいます。様々なセミナーに参加し自ら学ぶこともさることながら、会員一人一人が志を高く繋がりをつくり、地域貢献を実践することに情熱を注ぎ行動してまいりましょう。

株式会社佐藤工務店
代表取締役 佐藤 聡

 

 

経営 ケーススタディ
経営指針が私にもたらしたもの

同友会の経営指針研究会に参加したのは今から4年前の平成25年のことです。その当時の私は常務取締役で後継者になるかどうかも微妙な立場でした。そんな状況の中で何故「経営指針」に取り組むことにしたのか。それは、自分自身が自社とその事業にどう向き合えば良いのか常に迷っていたからです。私の父は形式上は二代目でしたが、ほぼ創業者として、会社を育て上げてきました。幼い頃からその努力と苦労は目の当たりにしてきましたから、子供の頃の私と弟は経営者にはなりたくないねとささやきあっていたものです。
父が志半ばで病に倒れ、私の叔父が三代目として20年間会社を維持してきた隣で、私はずっと迷いながら仕事に向き合ってきました。
自社が存続するべき理由と、自社における自分の存在理由がわからなかったのです。社員を抱えている以上、その家族も含めて生活がかかっているわけですから、雇用の場として会社を維持することは当たり前に必要ですが、「働く場」というのはそこに明確な存在理由とビジョンがあってこそ、働き続けることができるのではないか?生活費のためだけなら、条件の良いところ(楽して収入が多いところ)が選択肢の最初になります。実際の私自身が「こんなにつらい毎日で自分自身が働く理由が見つからないならやめてしまおう、生活するのに必要なお金は他の仕事でもいいじゃないか」と何度も思っていました。
そんな迷いの日々の中、同友会での業種や年齢、立場を超えた交流の中で刺激を受け、自分自身の受身で後ろ向きな気持ちに気づき、まずは自分ができることをやろう、自社事業が継続されるべき理由は自分自身で探そうと、経営指針研究会に参加しました。
「経営指針を作成する」ことは漠然としていたことを全部、言葉と数値に置き換えていく作業であり、このアウトプットこそが頭の中の整理につながっていると実感。刺激的で毎回脳がフル回転する研究会でした。
実はその時に一応完成した「経営指針」、同友会の発表会ではお披露目しましたが、自社では後継者の立場ではなかったためお蔵入りに。しかし、その経験とおぼろげながら見えてきたビジョンは確実に私の中で成長し、2年後社長職を引き継いだ時の支えになりました。あの経験がなければ今の立場になっていなかったかもしれません。経営指針は自社事業と経営者・社員・社会をつなぐものだと私は考えています。そして、迷いを抱える二代目以降の経営者にこそ必要なものだと感じました。「経営指針」と向き合う場を与えてくれた同友会と研究会の仲間に感謝し、経営者の立場での指針作りのために今再び研究生になることを目論んでいます。

株式会社関木材工業
代表取締役社長 山内 ゆかり

 

 

Q&A

同友会って、どんな団体ですか?
活動の特色は、
(1)経験交流を主体にした経営問題の勉強
(2)労使が共に育つという考えにたつ共同求人と社員教育
(3)業種別部会
(4)婦人・青年など階層別懇談会
(5)その他テーマ別の研究会とか同好会・・・など多面的です。経営者の団体や組織は数多くありますが、同友会は、
(1)中小企業の経営者が自主的に参加し
(2)みんなで運営して
(3)真剣に本音を出して学び合い
(4)経営者としての人格識見を備え
(5)社会的な期待に応えようとする・・・中小企業経営者の修業道場でもあり、オアシスでもあります。 詳しいことは、“同友会の生いたちと展望”という小論に書かれていますし、具体的なことは各地同友会が発行しているパンフや資料をご参照下さい。

 

同友会で得られるメリットは
同友会は、経営者の学び合いをべースにした活動をしていますから、商売に即効的に役立つようなメ リットは得られません。でも、あらゆる企画に積極的に参加していると、知り合いがふえ、信頼と親しみが増して、それが結果として取引につながっている例は少なくありません。だからといって、最初からその目的で入会された方は、同友会の雰囲気になかなかなじめないようです。
同友会は、北海道同友会の合言葉のように、
(1)知り合い、学び合い援け合い
(2)きばらず、急かず、諦めず
(3)激動を良き友とする経営者になりましょう
という考え方と姿勢であらゆる活動をすすめています。具体的には、
(1)会員同士が裸になって悩みを出しあい
(2)本音で論議を深め
(3)豊富な体験談や情報に触れて感動し
いつしか次のように変わってすっきりした気持になれます。

(1)孤独感から解放される。
(2)主観主義、一面性の枠から脱却できる。
(3)経営者としての社会的な使命が分る。
(4)人間の大切さをしみじみと実感出来る。
(5)物ごとを本質的に見きわめ、発展的に見通すカがつく。
つまり、なかなか相談しにくいモヤモヤが消え、人間的な触れ合いに生きる喜びを味わいながら、社内のコミュニケーションも良くなり、仕事もスムーズに発展するようになります。まさに、経営者が変われば企業も変わることを実感させてくれます。

同友会は、メリットがすぐ見えないけれども、気がつかないうちに現代の経営者に求められるカがつき、仕事と生きることに自信が湧いてくる不思議な魅力をもつ会です。

 

同友会がめざす企業とは
 同友会は、「ひろく会員の経験と知識を交流して、企業の自主的近代化と強靱な経営体質をつくることをめざします。(同友会の3つの目的より)」と、めざす企業を明らかにしています。では、“強靱な経営体質”とはどんなことかということになります。これこそ、同友会が追求し続けてきたし、これからもさらに経験や知識を持ち寄って、論議し合って総合的な肉付けをしていかなけれぱなりませんが、同友会運動48年での結論は次のようになります。
(1)企業の社会性を認識した上で、明確な経営理念を持ち
(2)労使が高い次元で協力し合い
(3)経営者も従業員も、それぞれが自分に与えられた役割りを果たすにふさわしい力量を備え
(4)設備、技術、商品のたえざる改善につとめ
(5)取引先や地域の人びとから全幅の信頼が寄せられ、
(6)業績は着実に向上し
(7)人・物・金の3要素がバランス良く整い、いかなる変動にも耐えられる企業
ということになりましよう。こうお答えすると、「それは理想だよ」とのご批判もあるでしょう。しかし同友会は、そのような企業をつくる基礎は、人と人との関係を“共育”と“共生”の関係と考え、企業内における労使の信頼と団結を確立すれぱ、決して高嶺の花ではないと考えています。

 

同友会がめざす経営者像とは
「同友会は、中小企業家が自主的な努力によって、相互に資質を高め、知識を吸収し、これからの経営者に要求される総合的な能力を身につける。」と、目的に掲げています。これも、同友会運動のメイン・テーマのひとつですから、教条的にこうであらねぱならないという形でお答えすることは出来ませんが、次のようなことがあげられると思います。民主的な人格と、歴史的な検証を受けても恥じない人間としての識見を備えている。
(1)現在から将来にかけて、中小企業の経営者として求められる専門的な知識をもつ。
(2)常に学び、考える積極的な謙虚さをもつ。
(3)より良いもの、より高いものを求めてやまない革新性がある。
(4)理屈抜きで人をひきつける、人間的魅力と感化力、共育力をもつ。
その中身について堀り下げていけば、まさに永遠の課題として限界はないと思いますが、上記の中には一般的にいわれる、(1)判断力、(2)予見力、(3)決断力、(4)計画力、(5)教育力、(6)創造力、(7)統率力、等々のものも当然含まれ、大局的に見た経営者像です。
目を転じて、社員の立場から求められる経営者像をあげてみましょう。
(1)将来に向けて安心して働ける企業づくりに専念する経営者。
(2)社員を大切にし、公正な評価と適切な配置をしてくれ、安心してついていける経営者。
(3)公私にわたって誇らしく思えるたくましい指導力をもった経営者。
(4)知性と品性を備え、清潔感があり、人間的な魅力をもつ経営者。
(5)明るく、さわやかで、いつも元気な経営者。
以上は、社員教育活動の中で聞いた社員の声ですが、現代の経営者に求められる総合的な能力とは、質と量のいずれからみても大変なものです。上記マクロとミクロに求められる経営者像を要約すると、「現代社会で最高の英知と人間性を備え、人間が人間として安心して暮せる環境を創り出す指導者」ということになるようです。

 

同友会がめざす経営環境とは
「同友会は、他の中小企業団体とも提携して、中小企業をとりまく、社会・経済・政治的な環境を改善し、中小企業の経営を守り安定させ、日本経済の自主的・平和的な繁栄をめざします。」と、目的に掲げています。

ご存知の通り、日本の経済力は世界中から「一流」の評価を得ています。その中で中小企業は、生産で60パーセント、流通で80パーセント強の役割を担い、就業人口の70パーセント強が中小企業で働いています。言いかえると、中小企業こそが日本経済の真の担い手であるということです。ところが、この現実は政治的にも社会的にも十分理解されているとは言えません。
ひとつには、戦前・戦後を通じて、大企業を中心に国家的な目標を達成しようとしてきた政治のあり方に原因があります。もうひとつは、国民の身近で経営活動をする中小企業の経営ぶりが、いろいろな意味で不安がつきまとうということもありましょう。この2つのことは表裏の関係で、結果としては「割りの合わない部門は中小企業で、うま味のあるところは大企業で」の分野わけが、自然に行われてきた結果です。
日本経済の大半を担い、国民生活をすみからすみまで支えている中小企業の経営が、いつも不安につきまとわれるということ自体、国民の豊かで平和なくらしを保障すべき経済や政治の原則にてらしておかしいことです。これは、中小企業のひがみによる文句ではなく、多数者の意志に基づく民主主義の原理からみた常識的な物の見方であり考え方です。しかし、だからと言って中小企業だけが良くなる政治をやれなどと同友会は主張しているのではありません。

同友会の全国協議会(略称中同協)では、毎年「国の政治に対する中小企業家の要望」を政府に「提出」しています。それは47都道府県に存在する同友会に加盟する約38000名の真面目な経営者たちの声として、政府に限らず自治体や報道関係者からも注目されるようになっています。(詳しくは、要望書の全文を印刷した小冊子が、各地同友会に保存されておりますのでご参照下さい。)
また、各同友会では、知事や市町村首長との定期的な懇談会を開いたり、要望書を提出したりして、地方レベルでの経営環境改善にもつとめています。

同友会がめざしている経営環境の改善は、「国民のくらしを豊かにし、末永く保障するために、平和経済を基調にした政治を、広汎な階層の人びとと共に確立すること」に重点が置かれています。そういう環境があってこそ、中小企業も末永く繁栄できるからです。

 

同友会のいう自主・民主・連帯とは
同友会運動は、自主・民主・連帯の精神で3つの目的をめざしてすすめられています。自主・民主・連帯の立場を離れては、3つの目的が高邁であれ、活動の中味がきめ細かであれ、最終的には足なみが乱れ、あげた成果もけしとんでしまうおそれがあります。
同友会がいう自主というのは2つの意味をもっています。ひとつは、同友会は他のいかなるところからも干渉や支配をうけないということです。もうひとつは、入会も脱会も会員経営者の自主性を大切にするということです。つまり、会の主体性を守るということと、会員の自由選択権を保障するということです。
民主というのも、2つの意味があります。ひとつは、会の運営を会員の要求や意見に基づいて行い、ボス支配などが絶対におこらないようにするということです。もうひとつの意味は、あらゆる事柄を、常に民主主義の立場にたってとらえ、民主的な物の見方や考え方を積極的にひろめていこうということです。

連帯というのも、会員同士の腹を割った裸での援けあいと、あらゆる階層の人たちと手をとりあっていこうという、外へ向けての融合、協力、団結をすすめる意味とがあります。

自主・民主・連帯の精神は、ひとり同友会運動の基調というより、人間や人間集団(企業や回体)が、大きな目あてを実現していくためには不可欠なものなのです。

よく、「同友会らしさとは何か」と質問されることがあります。同友会らしさとは、「自主・民主・連帯の精神で三つの目的をめざして、真剣に学びあい、育ちあうことであり、人間性に裏付けられた科学的な見方、考え方で、いつでも、どこでも、何に対しても対応出来ること」だと考えます。

 

同友会は会社の繁栄を保障するか
日本中小企業家同友会(現東京中小企業家同友会;設立1957年4月26日)からの48年の歴史と、全国の47都道府県に及ぶ日本中の知恵とが集積され、日々刻々と変化する情勢の中で血と汗で得た体験知というホットな情報も得られます。それらの教師や教材に、自らすすんで学ぶ姿勢で没入すれば、否応なく強烈な刺激を受け自分の企業に具現化することになるでしよう。

同友会に積極的に参加して、深く真剣に学んだ経営者は、立派な企業づくりをされています。自ら問題を提起し、体裁を気にせず、すすんで裸になって批判や意見を求めて、同友会の持味をフルに活用された方がたです。同友会は、経営者のオアシスといっても、単なる社交やグチをこぼしあう会でもありません。

同友会は、宗教団体でも、保障機関でもありませんから、「熱心に参加していれば、必ず会社は良くなり安泰です。」と太鼓判を押すわけにはいきません。でも、これだけ確かな目的と運営を保障し、多面的な勉強が出来る組織は、他にどれ程あるでしょうか。とくに、経営者としてだけでなく、現代に生きる人間としてのありようを、根本のところまでつめて謙虚に学ぶ姿勢は、同友会特有のものです。
同友会は、切実にねがい、積極的に求める経営者にとっては、限りない可能性を保障し、展望を与えてくれる自主的な会なのです。

入会のご案内

入会資格

北海道中小企業家同友会とかち支部では、共に育つ新しい仲間を歓迎いたします。この法人の趣旨に賛同する中小企業家、およびそれに準ずる方は、誰でも会員になることができます。

入会金と会費

入会金 20,000円 
会 費 5,000円
(1ヶ月)※6ヶ月前納制

入会方法

下記のフォームよりお申し込みいただくか、身近な同友会会員にご一報ください。
お問い合わせいただきましたら、当会事務局員からご連絡を差し上げ、さらに細かな内容についてご説明をさせていただきます。皆さまのご入会を心より歓迎いたします。