北海道中小企業家同友会とかち支部の支部長として3年目を迎えました。幹事をはじめ、とかち支部会員の皆様とともに、地域企業の成長と地域の発展のために力を尽くしたい思います。引き続き、よろしくお願いいたします。
1.持続可能な地域づくりのために
コロナ禍に加え、ウクライナ情勢が世界経済のみならず地域経済にも深刻な影響を及ぼしています。原材料や原油の高騰と品不足。さらに、20年ぶりとなる円安水準(4月16日現在、1ドル=126円台)に。帯広信用金庫が公表した2022年3月期の地域企業景気動向調査結果によると、十勝管内の業況判断指数(DI)は前期比12ポイント悪化。マイナス36となりました。原価上昇分を販売価格に転嫁できず苦しんでいる企業が多いのではないでしょうか。※DIとは、業況が「よい」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた数字。
4月11日に行われた北海道中小企業家同友会第5回常任理事会において、2022年度活動方針(2次案)が示されました。厳しい経営環境の中、「人を生かす経営」「持続可能な地域づくり」「当てにされる同友会づくり」という活動に力点が置かれています。
とりわけ、「持続可能な地域づくり」が今日ほど求められている時代はありません。SDGs(持続可能な開発目標)、ESG(環境・社会・ガバナンス)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、脱炭素といった、経営を取り巻く環境の変化。これらは世界規模で進んでいき、企業規模にかかわらず、我々とかち支部会員企業にも深く関係しています。変化に対応するだけではなく、これは「新たなビジネスチャンスである」と捉えるべきでしょう。
もうひとつ、「円滑な事業承継」も、地域企業にとって大きな課題のひとつです。北海道の中小企業経営者の平均年齢は60.9歳。後継者不在率は実に71.0%(帝国データバンク調べ)。北海道同友会は、事業承継相談窓口「つなげる」を事務局内に設け、シニアアドバイザー(同友会で20年以上理事を務めた方)が事業承継の課題整理を支援する体制をとっています。世代交代の時期が迫る前に、相談されてはいかがでしょうか。
2.会員増強と新会員のサポート
とかち支部に目を転じると、2021年度は会員853名、期首から11名増で終えることができました。これは会員増強に熱心に取り組んだ組織企画委員会と未会員を紹介いただいた皆様のおかげと感謝しております。加えて、「積極的に攻めの経営を行っていかなければ、今日の難局を乗り切ることはできない」という新会員の意志の表れではないか、と感じているところです。
コロナ禍も3年目。感染が収束する気配はなく、むしろ過去最高レベルの新規感染者数となっています。根本的なビジネスモデルの転換、業態変革が求められている企業も多いことでしょう。そんな中、活発に事業展開を繰り広げている企業が多数在籍する同友会とかち支部に、地域経済を牽引する役割が求められているのだと思います。
新規感染者数が増えていも、経済を止めてはいけない。これは地域企業経営者の共通認識ではないでしょうか。どのようにすれば、感染リスクを軽減させながら事業を継続・発展させることができるのか。また、原価が高騰する中、適正利益を確保することができるのか。無力感にとらわれる前に、会員企業が持つノウハウや経営体験を聞き、自社に取り込んでいくことが求められます。大変な時期だからこそ、積極的に学んで実践する。そのような姿勢が重要です。
新入会員の方々に対しては、新会員ガイダンス、いろはの会、人生大学等を通じて、同友会の活動内容や活用方法を知っていただく場を用意しています。ただし、それだけでは十分ではありません。ベテラン会員の皆様には、例会、委員会、部会、地区会等、積極的に新会員を誘っていただくようお願いいたします。
3.支部例会への積極的参加を
とかち支部の活動は多岐にわたります。このため、委員会、部会の活動だけで十分……と感じている会員もいるかもしれません。しかし、支部活動の中心にあるのは、毎月開催される支部例会に他なりません。これまではコロナ禍により、厳しい会場参加人数制限が設けられていました。今後は、感染リスクを回避しつつ、会場参加可能な開催方法に転換する方針です。
新会員や会歴の浅い会員にとって、地域を代表する企業経営者やベテラン会員との交流には、大きな意味と価値があります。入会当時、先輩経営者からさまざまなことを教わり、自社の経営に役立てたことを思い出し、これからは自分が知識やノウハウを提供する立場になる。これも、同友会会員としてあるべき姿だと思います。
今後もZOOM併用の例会であることに変わりありませんが、より多くの支部例会への会場参加をお待ちしています。
2022年度は「活動を止めない」ではなく、「コロナ前よりも活発に行動する」とかち支部を目指していきます。学びと実践なくして、自社の成長はありませんし、支部の発展もありません。学びと実践の最大化によって、たえず地域に新鮮な空気を送っている。あるいは同業種・異業種の経営者に刺激を与えている。そんな企業活動、支部活動を行っていきましょう。
2022年度もよろしくお願いいたします。
2022年4月18日