デジタルへの対応力を高め、地域経済循環と域外需要獲得を目指そう!

1.地域経済循環+α

 先月に続いて地域経済循環の重要性について強調したいと思います。
 中小企業の圧倒的多数は「地域企業」ですから、地域の発展と自社の発展を切り離して考えることはできません。地域企業の衰退は地域そのものの衰退につながります。地域から企業が失われれば、生活も企業活動も不便なものとなっていきます。多くの雇用も失われることでしょう。
 したがって、企業の調達活動と個人の消費活動をこれまで以上に「地元調達」「地産地消」へシフトさせることが重要ではないかと考えます。もちろん、100%地域内でお金を回すことは不可能。しかし、60%だったものを70%に高めるだけでも、経済効果は大きいといえるのではないでしょうか。
 数年前、とかち支部が開催した十勝経営者大学の中で、講師の小磯修二氏(北海道観光振興機構会長、元釧路公立大学学長)はこのように語っていました。
 「個々の企業が個別に合理的な行動と経営判断をしても、地域経済全体が衰退、崩壊すれば、次世代は活動の基盤を失ってしまう」
 加えて、「高付加価値化」「物流、消費流通」「観光」が重要であり、地域経済循環だけではなく、域外からの需要を取り込む戦略が必要とも語っていました。
 すでにとかち支部の中には、「地域経済循環+α」という観点から、さまざまな取り組みをされている会員が数多くいます。人口減少がますます進んでいく中、「地域経済循環」と「域外需要の獲得」という2つの視点が地域発展には欠かせません。
 コロナ禍により、地元の企業やお店を応援したいという機運が高まってきています。これをひとつのチャンスと捉え、地域経済循環率を高めていくこと。さらに、先進的な会員企業から学びながら、域外需要を取り組むための活動にチャレンジすることも必要ではないかと思います。

2.デジタルへの対応力を高めよう

 地域密着型経営を行ってきた地域企業にとって、「域外需要の獲得」はハードルが高く感じられるかもしれません。けれども、昨年から続くコロナ禍により、むしろ域外との接点が増えたと感じる人も多いのではないでしょうか。ZOOMやYouTubeライブを使って、道外のウェビナーやイベントに参加する人が増えています。勉強や情報交換という点では、以前よりも活動領域が広がってきているのです。
 昨年はDX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉が広く使われるようになった年でした。DXの目指すところは「ビジネスプロセスにまで踏み込んだデジタル化」(最終的には「社会に好影響を与える変革」)です。「自社はDXとは無縁」と思われる方も多いとは思いますが、ZOOMの接続にすら苦労していた1年前と今日とを比べると、DX化はともかく、デジタル化は一歩も二歩も進んだと考えるべきでしょう。
 この1年で世界は急速に変わりました。先日、ある新聞記者が、「十勝の多くの企業はデジタル化という点で発展途上」と話していました。もちろん、先進的な企業もありますし、スマート農業、スマート林業という話を聴く機会も増えています。しかし、地域全体の課題として、「デジタル化への対応」を挙げるべきではないでしょうか。
 地域、業種、企業規模に関係なく、DXが一段と進んでいくことは疑いありません。その中で自社が時代遅れな企業とならないよう、コロナ禍を機に、まずはデジタル化、そしてDX化を目指していきましょう。

3.会員拡大に向けて

 残念なことに、とかち支部の会員数は期首よりも減少しています。コロナ禍により直接顔を合わす機会が減った、例会等にリアル参加できない、業績が悪化した……など、退会にはさまざまな原因があるでしょう。
 そのような中、組織企画委員会の皆さんは、支部例会の魅力を高めたり、会員拡大のための企画や行動を熱心に行っています。また、委員会、部会、地区会でも、感染リスクを抑えながら、最大限熱心に活動されているに違いありません。コロナ禍でも同友会活動は停滞することなく続けられてきましたし、デジタルを取り入れたことで以前にも増して活性化しているところもあります。
 ぜひ、中小企業家同友会の魅力、そしてとかち支部の活発な活動内容を、未会員の企業経営者の方々にお伝えくださるようお願いします。
 同友会は「余裕があるから入会する」という組織ではなく、「経営のヒントを真剣に求めている人が入会する」組織であるはず。コロナ危機や世界の激変によって、悩んでいる、苦しんでいる企業経営者は、1年前よりも確実に増えているに違いありません。困っているからこそ、入会し、懸命に勉強して自社をよくするためのきっかけをつくる。そうした意欲的な新会員が1社でも増えることを願っています。
 そのためには、とかち支部の会員企業が逆風の経営環境の中で新しいことにチャレンジしている、成果をつくり出していることを広く知ってもらう必要があるでしょう。また、未会員の企業経営者の方々が同友会の活動に関心を持つようなきっかけを増やすことが重要です。さまざまなルートを通じて、支部活動の魅力をPRできるよう、支部の広報活動に熱心に取り組んでいかねばなりません。
 同友会3つの目的「よい会社をつくろう」「よい経営者になろう」「よい経営環境をつくろう」に向かって活動するには、同友会仲間を増やすことが不可欠です。ぜひ、会員拡大にご協力ください。

2021年2月8日

デジタルへの対応力を高め、地域経済循環と域外需要獲得を目指そう!