1.帯広市産業振興会議について
11月5日、道内で119人もの人が新型コロナウイルスに感染しました。十勝の感染者数は少ないものの、最新の注意を払いながら、経済活動を継続していきましょう。
さて、毎月全道の理事会または常任理事会の内容をお伝えしていますが、今月は幹事会後の11日に開催されるため、報告事項がありません。代わりに、10月26日に開かれた第6期第1回帯広市産業振興会議についてお知らせしようと思います。
帯広市産業振興会議は2007年に制定された「帯広市中小企業振興基本条例」に基づいて設置された中小企業、金融機関、行政、大学等による会議体です。発足当初は「帯広市中小企業振興協議会」という名称(2007~08年)。「よりよい経営環境をつくる」という中小企業家同友会の理念と合致する活動であり、条例制定に同友会とかち支部が深く関わってきたのは多くの会員の知るところです。
協議会メンバーは無報酬で会議を重ね、帯広市に対して提言書を作成・提出。これを受けて、2009年「帯広市産業振興ビジョン」が策定されました。
2009年からは名称を帯広市産業振興会議に変更。帯広市産業振興ビジョンを効果的に推進するため、具体的な事業の提言や進捗管理などが行われるようになりました。産業経済実態調査、若年者就業支援事業、創業・起業促進、UIJターン者の確保など、実行に移され、一定の成果を収めました。
条例施行10周年を迎えた第5期帯広市産業振興会議(2017~19年)には、「第2期帯広市産業振興ビジョン」を策定。「中小企業の経営基盤の強化」「ものづくり産業の振興」「集客交流産業の振興」という3つの方向性に基づいて14の施策が展開されることになっています。
帯広市中小企業振興基本条例や産業振興会議は、道内の他の自治体に先駆けてできたものであり、地域経済活性化の先進事例のひとつとして数えられています。今年はコロナ危機の中で第6期帯広市産業振興会議がスタートしました。経営環境が激変する中、地域経済を担う中小企業の健全な発展のために大きな役割を果たすものと期待されています。とかち支部会員も会議の委員として数多く名を連ねています。積極的に関わるとともに、動きがあれば随時報告しようと思います。
2.とかち支部会員に向けてのアンケートにご協力を
コロナ禍の影響調査のため、北海道同友会や中同協では複数回にわたるアンケートを実施しています。これにより、会員企業の悩みや経営課題、地域経済に与える影響などがデータからも明らかになってきました。
これをさらに一歩進め、北海道全体ではなく「十勝はどうなのか」正確な実態を知りたいという思いから、とかち支部会員に向けてアンケート調査を実施することにしました。併せて、とかち支部の活動に対する要望等も広く募りたいと考えています。858名の会員の中には同友会のメリットを十分活用していない方も多いことでしょう。どうすれば、同友会会員であることの意味や価値を感じていただけるのか? 今後の活動の力点を探る意味でも、重要な指標のひとつにしたいと思います。
本アンケートは、メールでお送りするほか、支部例会、委員会、部会、地区会等の場で配布する予定です。また、会員企業訪問の際にも用紙を手渡し、回答を依頼します。ぜひとも、趣旨をご理解の上、アンケートへの回答をお願い致します。
3.全社一丸となって危機を乗り越える
10月29日、第49期中堅幹部学校がスタートしました。週1回、2講ずつ開催され、12月3日に修了予定となっています。今期の受講生は15名。私も第1講で講師を担当しましたが、真摯な姿勢で話を聴いたり、グループ討議をする姿を見て、頼もしく感じました。
今年はコロナ危機によって、幕末・明治維新や第2次大戦後に匹敵する経営環境の一大変化が起こっています。この激変は今年だけではなく、数年間に及ぶことでしょう。人々の生活や価値観の変化によって顧客ニーズが変わり、自社の商品・サービスも当然大きく変わることになるはずです。
この一大変化に際して、社長ひとりの知識、経験、能力だけで対応するのは困難であるに違いありません。同友会でよく使われる「全社一丸」という体制をいち早く整えることが重要ではないでしょうか。
そのためには、社長の右腕となる幹部・取締役の存在が欠かせませんし、それに続く中堅幹部の経営マインドと実務能力が問われることになるでしょう。一朝一夕には進みませんが、どのような経営環境にあっても人材育成に力を入れ続けるべきだと考えます。
コロナ禍によって変化の速度が10倍速まったとも言われています。これから本格化する第4次産業革命(AIやロボットをはじめとするデジタル革命)は、世の中に想像以上の変化をもたらすことになるでしょう。そんな中、自社を存続、成長、発展させていくために、どれだけ若手や中堅幹部が主体的に活躍できる環境を整えることができるか? 業態変革と同時に組織変革を着実に進めていくことが求められます。
自社を変革するための具体的アイデアは若手のほうが数多く持っているものです。若手、中堅幹部の人材育成を通じて、全社一丸体制を築くこと。社内のどこからでもアイデアが出るような組織に変えていかねばなりません。とかち支部の例会、セミナー、各種勉強会にぜひ社員さんを参加するよう働きかけ、人材育成を通じて、危機を乗り越えることのできる強固な組織を共に創ってきましょう。