「需要の変化への対応」と「働く環境づくり」で自社を強靱な組織に変えていこう!

1.2020年度第1回常任理事会より

 8月5日(水)、第1回常任理事会がZOOMによって開催。この中で、新型コロナウイルスによって会員企業がどれほど影響を受けているのか、第3回緊急アンケート(7/10~27)の集計結果が示されました。「経営へのマイナスの影響が出ているか?」という質問では、「出ている」が61%。第1回の調査(2/25~3/3)では43%でしたから、マイナス影響が広がっていることがわかります。また、6月売上の同月前年比では、57%の企業が「減少」と答え、全体の13%が「50~70%減」となっています。コロナで大打撃を受けている企業が増え、それが他業種に広がりつつあることが数字の上からもわかります。
 こうした中、オンラインでの例会、セミナー、会議が増えているのは皆さんご存知の通りです。北海道中小企業家同友会のWEBサイトを開いてみると、トップ画面の下半分に「お知らせ」があります。コロナ関連の情報と並んで、各支部の例会案内が掲載されていることに気づきました。今月28日のとかち支部例会も載っています。もちろん、会場で直接講演を聴いたり、グループ討議できるほうがよいわけですが、他支部の例会等にオンラインで参加することも、withコロナの中で取り入れるべき学び方といえるかもしれません。
 今期の各支部会員数を見ると、増えているのはとかち支部と苫小牧支部のみ。7支部が会員数を減らしており、全体ではマイナス59となっています。会議の中では、とかち支部組織企画委員会によるヒアリング調査が注目を集めていました。退会理由を調査するのではなく「同友会を続ける理由」をヒアリング。詳細は北村委員長から報告があると思いますが、こうした逆転の発想が支部運営にも、自社の経営にも必要だと感じています。

2.消費行動の変化に対応できているか

 感染対策と経済活動。とりわけ、自社の経営環境がこれからどのように変化していくのか、業種・業態によって差はあっても、企業経営者として気がかりなところでしょう。
 同友会活動のやり方も大きく変わりましたが、それ以上に消費者のニーズが明らかに変化しています。一番わかりやすいのは「巣ごもり消費」。一例として、ネット通販や動画配信サービスが伸びています。今売上を伸ばしているのは、IT、EC関連の企業といってよさそうです。単純に消費が縮んでいるというよりも、需要がシフトしていき、もしかすると元には戻らない。そう考えるべきかもしれません。非接触、あるいはオンラインへのシフトを自社のビジネスに取り入れていく必要がありますし、対面型を重視するのであれば、いかに消費者に安心感を与えるのか、ビジネスのやり方を変えていかねばなりません。
 コロナ危機の中にあっても、売上・利益を確保している企業が少なからずあります。そうした企業の取り組み事例から学ぶことが、今こそ必要なのではないかと考えています。同友会の例会や勉強会に参加すると、そこには自社の業態変革につながるヒントが隠されています。例会や勉強会への積極的な参加。さらには一緒に学ぶ仲間を増やしていくため、未会員の紹介をお願いします。

3.コロナ禍の中での「働く環境づくり」

 コロナ禍によって、ほとんどの人が大なり小なりストレスを抱えています。自社で働く社員も、悩みや不安を抱えながら日々働いていることに経営者として気づかねばなりません。自社の資金繰り、当面の売上・利益の確保、需要の変化への対応……。考えることが山ほどあり、社内でのコミュニケーションが希薄になったり、労働環境改善が後回しになったりしているかもしれません。
 中小企業家同友会全国協議会(中同協)は1975年に「中小企業における労使関係の見解」(労使見解)を発表。「経営姿勢の確立」「経営指針の成文化と全社的実践」「対等な労使関係と共育の重視」「外部経営環境改善に労使が協力する」などが掲げられ、45年にわたって同友会の基本思想となっています。政府が「働き方改革」を推進する40年も前から、同友会は働き方改革を目指す会だったのです。
 「組織は内部から崩壊する」と言われています。新型コロナウイルスという外敵にばかり目を向けているうちに、自社の社風が変容していったり、社員のモチベーションが低下していったのでは元も子もありません。今こそ、労使見解の精神に立ち戻り、社員の自主性が発揮されるような組織に変えていくことが求められます。
 2019年3月に発行された「働く環境づくりの手引き」は、労働環境改善を進めていく上で有効なガイドブックです。「経営指針成文化と実践の手引き」の副読本と位置づけられていますが、単独で活用することも可能。A4判40ページ。簡潔に説明されていますし、中同協のWEBサイトからフォーマットとフルバージョンがダウンロードできるようになっています。ぜひ、ご活用ください。
 とかち支部の活動だけに留まらず、全道、全国の学びの場や豊富な教材、ガイドブックを活用できることも、同友会会員のメリットのひとつといえるのではないでしょうか。

「需要の変化への対応」と「働く環境づくり」で自社を強靱な組織に変えていこう!