1.第4回理事会より
11月9日(水)、北海道中小企業家同友会第4回理事会が開催されました。議題は多岐にわたりましたが、注目すべきは各支部上半期(4~9月)の活動報告です。発表順に簡潔に紹介します。
- 苫小牧支部
「同友会を深く理解しよう」という声から、支部ガイドブックを作成。同友会理念や活動の本質を明らかにするとともに、支部組織・運営の基本をまとめています。 - 函館支部
函館蔦屋書店で「同友会マルシェ」を開催。19社が出展。物販、ワークショップを開き、賑わったそうです。 - 南空知支部
3年ぶりに移動例会を実施。満寿屋商店「麦音」、十勝まきばの家、十勝千年の森などを見学しました。 - 西胆振支部
ゼロカーボン、省エネルギー住宅などをテーマとする例会を開催しています。 - オホーツク支部
支部40周年記念講演、式典、祝賀会を開催。会歴30年の会員を表彰しました。 - 札幌支部
10月7、8日の2日間にわたり、道研with道青交in札幌を開催。800名を超える参加者が19分科会に分かれて学びました。札幌道研は4年ぶりのリアル開催です。 - しりべし・小樽支部
小樽独自の経済ビジョン制定を目指す「小樽経済ビジョンプロジェクト」の活動が本格化。山麓地区会ではニセコ観光を体験しながら地域振興について考える例会を開催。 - 道北あさひかわ支部
341社を対象に在籍10年以上の会員を表彰する式典を開催。2023年は「旭川道研」の年。実行委員会が始動しました。 - くしろ支部
持続可能な地域づくりを目指した活動を展開。SDGsセミナー、地域の歴史講座、金融機関との懇談会、条例制定に向けた活動等。企業訪問にも力を入れています。
こうした他支部の報告の中には、とかち支部の今後の活動を考える上で参考になる点がいくつもあります。下半期、さらには2023年度に向けて役立てたいと思います。
2.「同友会を知る」「会員のニーズを知る」
理事会終了後に行われた役員研修会第3講は、苫小牧支部の髙橋憲司支部長が報告者を務めました。
苫小牧支部は6年連続で会員が増加。理由のひとつとして、「退会者が少ないこと」が挙げられます。髙橋支部長は「知即愛 愛即知」が組織活性化に不可欠という話。「同友会が何たるかを知らなければ何も発信できない」「会員のニーズが何たるかを知らなければ何も提案できない」ということです。このため、過去の資料の閲覧、周年誌の編集と先輩会員への聴き取り、現会員のニーズ調査、事務局との対話等を行い、同友会を知ることに努めたそうです。その中での気づきとして、支部運営規程はあっても運営方法が書かれたものはないことが判明。その結果、会員自ら能動的に動くことができるよう、会員目線で書かれた「苫小牧支部ガイドブック」が作成されました。
同友会を知ることと会員のニーズを知ること。この点は、とかち支部においても大きな課題のひとつと言えそうです。とかち支部では役員と事務局が上半期527社の未会員訪問を行いました。同時に、会員訪問にも力を入れています。同友会の魅力を伝えると同時に、訪問活動を通じてもっと会員・未会員のニーズを知る必要があると痛感させられた役員研修会でした。
3.「企業変革支援プログラム Ver.2」が完成
中小企業家同友会全国協議会(中同協)では、2009年に「企業変革支援プログラム・ステップ1」、2012年に「ステップ2」を発刊しました。ステップ1は自己診断を通じて、自社の立ち位置や課題に気づくこと、ステップ2では企業変革を具体的に意識できるような内容となっています。実際に、ステップ1と2を活用して「自社が変わった、組織が成長した」という報告が多数寄せられています。
その一方、「経営成熟度診断だけで終わっている」という傾向も見られます。そもそも北海道同友会では企業変革支援プログラムの普及が十分進んでいるとは言えません。理由のひとつとして、ステップ1と2を合わせるとかなりのボリュームがあり、消化しきれないことが挙げられるでしょう。
このため、2018年2月、中同協の各専門委員会を中心に「企業変革支援プログラム改訂プロジェクト」が始動。当時、全道経営指針委員長だった私もプロジェクトメンバーとして参加し、改訂作業にあたりました。度重なる議論、カテゴリーごとの改訂作業を通じて、2022年10月、「企業変革支援プログラム Ver.2」が完成に至りました。
改訂版最大の特徴は、従来のステップ1と2が1冊に統合されたこと。そして、具体的取り組みがイメージできるよう、項目ごと実践例が紹介されています。社員と一緒に取り組むことを想定し、項目や解説の見直しも丹念に行われました。また、難度が高いと思われる用語には別途用語解説を加えています。ページ構成上の変更点としては、新カテゴリー「企業の社会的責任」を追加した点に注目いただきたいと思います。これはSDGsを想定したものでもあります。
従来版よりも数段使いやすくなった改訂版。ぜひ、自社の立ち位置の確認や経営課題の認識、さらには経営計画への反映、定点観測等にご活用ください。
2022年11月14日