大谷短大生がゆく 「社長! 教えてください」

  • 第5回 株式会社 まつもと薬局(2016年8月3日 取材)

まつもと薬局 まちの健康を支える

株式会社まつもと薬局(以下まつもと薬局)は昭和58年2月、松本健春社長が旧協会病院前で開業、平成11年4月に現在地(本店)へ移転。現在、本店、南町店、自由が丘店、西6条店、フロンティア店の5店舗でまちの健康を支えている。

 

まつもと薬局へ行く

松本社長は一番初めに薬局のイメージの話から始め、その実際について教えてくださった。私たちの薬局のイメージは「処方箋を持っていき、お薬をもらう」というイメージだった。しかしそれだけではなかった。

介護や薬の飲み合わせに関するアドバイスや栄養相談。誰でも入れて、医薬品以外の商品(健康食品や栄養補助食品など)を買えること。そして配達サービス。目指すものは処方箋なしでも気軽に入れる薬局と教わり、私たちは取材の序盤からイメージとは異なり非常に驚いた。

松本社長がこうしたことを目指すのは、地元に根ざした薬局、まちの健康を支える薬局を目標にしているからである。

「お腹がよく痛くなるのだが、何かアドバイスを」という質問をした際には「薬には頼らず、食事や運動で改善が可能」と助言していただいた。まずは薬を使わずにできることをアドバイスする。こういった風にお客様、患者様の健康相談にも丁寧に対応していただけるのも薬局の本来の役割の一つだと知った。

目指す薬局を創りあげていくうえで特に気をつけていることは接客だという。接客は心の手助けである。他人ごとではなく心を込めて来店客に応じ、よもや二度と来たくないと思われるようなことがあってはならない。患者さんから無理難題なことを言われても、すぐに否定するのではなく、聞く耳を持ち、「検討してみます」等の応対をするように心がけている。

matumoto_image.jpgまつもと薬局の店舗は、ほとんどが水色である。旧協会病院前から現在置に移転してくる際に外装を水色にした。移転前のお店は借りていて、新築移転に向けてイメージカラーを考えていたところ、出勤中に綺麗な水色をした建物を見つけ直感的に“健康的な色だ”と感じたため、その色を参考に新店舗の外装は水色となった。まつもと薬局の水色店舗は遠くからでも目立つ。いやでも目に入り、記憶に残る。つまり、店舗自体が広告媒体になっている。そして患者が処方箋を持って保険調剤薬局を訪れる際、まつもと薬局に入る。こうした効果が期待できるのかもしれないと思った。経営にはこうした積み重ねが大切なのだと学んだ。

まつもと薬局で、お薬手帳に記載されているキャラクターが豊富で小さい子どもにも親しみやすい手帳が渡されていた。こうした工夫でお客様にアピールすることも大事。それらは口コミやSNSにより拡散して宣伝効果を発揮する。しかも情報の回るスピードは速い。しかし、知らないうちにどんどん広まっていくので気をつけることも大事だとアドバイスをいただいた。

 

社長さんに聞きました。今の若者に求めること

まず、「ほうれんそう」をしっかりできること。

そして、何をやりたいか目標を持っていること。例えば医療事務の資格を持っている。薬局に就職できました。では次に何するのか。毎日同じように働く、次はどうする?これぐらいできたらいいと満足してしまったら、そこで終わってしまう。常に短期、長期の目標を持って日々を過ごすことが学生時代以上に大切なことだと思った。

松本社長のアドバイスは続く。合同企業説明会参加のススメ。インターンシップに積極的に参加すること。自分に合っているところを見つけるために企業経験をたくさんするべき。「企業理念」を知って、ちゃんとした目標を持ってほしい。

また、社員、新入社員にもとめることとして、

  • もっと自分に自信を持って、もっと自分を生かしてほしい。
  • 報連相ができる人、目標がある人(夢ではない)に入社してほしい。

一方、「今の高校生たちはかわいそう」とも。漢字や計算もすべてスマホで調べたりできるため、漢字が読めない人や暗算ができない人が多い。漢字や簡単な暗算はできるようになるべきだ。字を書く機会も減っているため、きれいな字を書けない人もいる。人が読めないような字を書くのはさすがに良くないのではないか。今の若者は仕事がつらいとすぐにやめてしまう。しかし、つらい壁を乗り越えた後、楽しいことがある。そこまで行かないからいつまでも「仕事がつらい」ということになる。

そして、採用面接をするときに困ることは、学校で言われたことをそのまんま丸暗記してくる高校生がいること。教科書的模範的回答ではおもしろくもないし、良いも悪いも判断できない。自分の言葉で自分の考えをしっかり言うことが大事。このようなお話を聞き、正しいこと、相手の期待していることを言おうとしすぎないほうがいいのかと思った。さらに面接や履歴書で「地域貢献」ということをよく聞き、目にするが、入社して1年で地域貢献は難しい。入社試験時の「地域貢献」というキーワードにはあまり説得力がない、ということも教えていただいた。ボランティア、バイト、勉強、サークル、何でもいいが、大事なのはそこから何を学んだかということだと思った。

松本社長は、学生時代、理数系が得意だったため、家の農家を継がずに医療系の学部のある大学に進学。それから薬剤師を目指したという。薬局を始めたのは33年前で、職場の上司に勧められたことがきっかけ。薬局勤務から薬局経営への転進である。当時28歳だった。起業した当時はどうせ薬局で仕事をするのなら「儲かる方がいいや」というぐらいの気持ちだったと言われた。たぶんに謙遜が含まれた言葉であると思うが、企業も人間も若いうちはしゃにむに自分のためにがんばるということがまず大事ではないかとの教えであると思った。

 

まつもと薬局を取材して
  • 昔の薬局のイメージを180度、変えさせられました。薬局は病院の診察の帰りに立ち寄るというイメージでした。しかし、取材し、親身にサポートしていただけることがわかりました。今後の生活で、自分の身の回りの人にも薬局のイメージを伝えていきたいです。(大上 晟奈)
  • まつもと薬局にはかわいいおくすり手帳がたくさんあり、店舗内にもラミネート加工されているイラストを飾るなどの工夫がされていました。そういった面でもいろんな患者さんが薬局に入りやすい環境づくりをしているのだと感じました。私もかわいいおくすり手帳を使いたいです。(吉田 雪乃)
  • まつもと薬局のお話を聞かせていただいていろいろ新しいことに気づかされました。“何でも気軽に相談をする”でも良いと伺って、とても素敵なことだなと思いました。今度インターンシップでお世話になりますのでよろしくお願いします。(近 侑希奈)
  • 薬局は病院の帰りに処方箋を持っていくところというのが正直なイメージだったので、まつもと薬局の患者さんとの距離の近さに驚きました。薬を出すだけでなく患者さんの相談にのったりしてくれて優しい素敵な場所だなと感じました。他の人にもこのことを伝えていきたいです。(西田 優花)