大谷短大生がゆく 「社長! 教えてください」

  • 第2回 ソーゴー印刷 株式会社(2016年6月10日 取材)

ソーゴー印刷 ~ 豊かさと幸せを広げる会社 ~

みんなが知りたい印刷方法

印刷機ではオフセット印刷機で使用するPS版(アルミでできた印刷に使用する板)やオンデマンド印刷機を見せていただいた。ソーゴー印刷株式会社(以下、ソーゴー印刷と表記)ではいくつかの印刷方法を“起用”している。
まず、書籍印刷から商業印刷まで幅広く使用されている最も一般的なオフセット印刷という印刷方法。オフセット印刷はほかの印刷方法よりも仕上がりが良く、印刷する枚数が増えるほど1枚当たりのコストが低くなるため、大量に印刷するときに“起用”される。オフセット印刷機は後に述べるオンデマンド印刷機のように可変データの印刷はできないが、とてもスピーディに刷ることができ、1時間に15,000枚の印刷が可能だ。
次にオンデマンド印刷という方法。オンデマンド印刷はオフセット印刷と違ってPS版を作る必要がないため少量の印刷では、低コストの印刷ができる。これをソーゴー印刷では2台導入している。また、可変データ、たとえばチケットの座席ナンバーなど1枚1枚異なるテキストデータの印刷ができる。
また、製本部では機械を使用して製本を行っているが、かなりの割合で手作業での製本も行っているという。手作業での製本を行っている方はベテランの方が多く、素人ではできない速さで製本作業をされていた。
このようにソーゴー印刷ではお客様のニーズに合わせて印刷機を使い分け、効率の良い印刷を実現し、より低コストで美しい印刷を追求していると感じた。

 

ソーゴー印刷の仕事と考え方

ソーゴー印刷は1954年に日邦社高原印刷として創業した。その後1972年に曽我印刷株式会社と合併し、現在のソーゴー印刷となった。印刷のほか雑誌の発刊、自費出版、ホームページや映像の制作を行っている。以下、出版物に絞っていくつか紹介する。
北海道民、十勝の住民であれば『スロウ』やフリーペーパーの『しゅん』を一度は目にしたことがあるだろう。フリーペーパーの『しゅん』は帯広十勝の暮らしのナビゲーターとして読者の支持を得ており、その配布先は十勝管内約13万戸にも及ぶ。
ソーゴー印刷といえば「“しゅん”を作っている会社」というイメージが強かったのだが、実際は『しゅん』のほかにも『スロウ』や道東圏の食を紹介する『kerankeran』などたくさんの本を発行している。
また、北海道をこよなく愛し魅力的な人やモノを紹介する季刊誌『northern style スロウ』、十勝の子育てママを応援するフリーマガジン『ぺこぐぅ』など、スタッフが100%社内手作りで出版している。
季刊誌『スロウ』は「足元の豊かさに光を当てながら、わくわく北海道を作ります」を合言葉にこれまで光りの当たらなかった北海道の本当の魅力をスタッフ独自の視点で紹介している。編集スタッフが自ら足を運び、『スロウ』ならではの視点で集める情報はオリジナリティに溢れていて、ストーリーとしての読み応えが素晴らしい。これが『スロウ』が道内地域だけでなく関東地方の読者にも愛されているポイントだと思った。
これら多様なオリジナルの出版物は“地域づくり”という観点を大切にし、60年以上に渡って積み上げてきた製造業としての印刷会社の歴史を尊重しながらも、それに依存、あるいは固執することなく多様な展開を模索した結果だという。今回は紹介できなかったホームページや映像製作を含め「ソーゴー印刷は印刷会社である」ではなく、「私たちは価値ある情報を創造、発信、記録することによって豊かさと幸せの輪を広げます」という方針のもと仕事に取り組んできた成果なのだと思った。

 

教えて! 片山さん!

今回、ソーゴー印刷に入社して5年目の片山静香さんにお話を伺った。片山さんは帯広出身で、現在は『スロウ』の編集を担当している。取材はカメラマンと編集者の2人で行っており、取材先や取材内容をあらかじめ数か月前に決めておくことでスムーズに取材ができるとおっしゃていた。
片山さんは人前で話すこと、いわゆるコミュニケーションを取るのが苦手だったそうである。しかし、ソーゴー印刷で行われている朝礼に積極的に参加することで現在は人と話したり、取材をするといったことが楽しく感じるようになったそうだ。
職場の雰囲気は明るく、社員同士の仲も良いそうだ。キャンプに行ったり、飲み会を開いたり、暖かい時期になると社長宅でバーベキューをしたりもする。その際、部署の垣根はなく社内の様々な人が交流する機会となっている。取材中、私たち学生にも優しく話しかけてくれる方がほとんどで、気さくな方が多い印象を受けた。こうした社風が片山さんの“取材をするといったことが楽しくなった”という言葉の背景にあるのかなと思った。

 

感謝!

今回のインタビューを通し、ソーゴー印刷を身近な会社だと感じることができた。また、印刷方法や今回は記事にすることができなかった編集方法をお教えいただいたこともさることながら、仕事に対する情熱やその背景にある会社の方針や会社の定義の大切さを学べた。これは今後の就職活動においてとても参考になる。
お忙しい中、時間を作っていただいたソーゴー印刷の皆様、ありがとうございました。

(取材・編集:帯広大谷短期大学地域教養学科1年「インターンシップⅠ」)
チームB:井脇 史絵 / 熊倉 いずみ / 菊地 智也 / 西田 優花 / 吉田 雪乃

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ソーゴー印刷株式会社
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